Column コラム

子どもが納得する叱り方。しつけってどうするの?

子育てをしていると、危険な行為をしたときや、静かにしないといけない場所で騒いでいたり
言うこと聞かなかった時などに、叱らなくてはいけないシーンに遭遇することがありますよね。
でも、感情的に怒ってしまうなんてことはありませんか?
あとになって、「あんな言い方しなくてよかったかな」とか
「なんで聞いてくれないんだろう」と悲しくなるときありませんか?
この記事では子どもの叱り方で悩んでいるママに向けて、上手な対応の仕方、
叱る時に気をつけたいポイントなどを解説していきます♪

子どもの叱り方、どうしてる?

良くないことだとは分かっていても、つい怒鳴ってしまったり、時には叩きたくなってしまうこともありますよね。
何度言っても分かってくれない!!
とイライラすることはママが子どもを想っているからこそ出る、大切な感情。
「怒り」という感情は人間が生きていくための「本能」なので上手につきあっていけるようになりたいですね。

◆「怒る」と「叱る」の違い◆
叱る・・・相手のことを思い、間違いを正すために指導すること。
怒る・・・感情をあらわにしイラ立ちをぶつけること。

そこには相手に対する思いやりはありません。相手の気持ちを考えていない自分本位な行為なのです。

つまり、叱るのは心が通い合うこと、怒るのは一方通行ということとも言えますね。

「何度叱っても伝わらない」という原因は、叱っているのではなく怒っているからかもしれません。
きっと始めは、子どもの悪いところを改善させるために叱っていたはず。
しかし、いつの間にか感情的になり、怒りをぶつけるだけの行為になっていませんか?

例えば…
店内を子どもが走ってしまったときの

「走らないで!!」

この時の思いってどこに向いてますか??
・人の迷惑になる
・しつけのなってない子だと思われちゃう
・追っかけるのめんどくさい

・・・など、実は自分の評価へベクトルが向いていたりしませんか??

子どもの事を想って叱るということは
「お店の中では人にぶつかったりしたら危ないから歩こうね」
と感情的ではなく、理由をつけて伝えてあげる。これが叱るですね。

子どもを叱るときは、叱っているのか、怒っているのか、冷静に判断しましょう。
これだけでも子どもへの伝え方や言葉選びが変わってきます!!

子どもの接し方、しつけは親の子育ての軸で決まる!

とはいえ、しっかりと大きな声で叱らなければならないときも存在します。
親が子どもを叱るのは、”正しい行動に導く”ためです。

  • 人を傷つけないようにする
  • 危険な行動を防ぐ
  • 社会のルールを学ぶ
  • わがままを通させない

親としては、たとえ当たり前のことでも、ひとつずつ子どもを教育する必要があります。
特に、子どもの怪我や命の安全を守るために叱る行為は必要です。
ダメなものはダメと必ず伝えるようにしましょう。

お母さん自身がしっかりと軸を持って「叱る」ことが大切です。
命の危険があるのにへらへらしながら「危ないでしょ~」では子どもが本当に危険だったのか判断できません。

子どもの全ての学びは「親から」です。
子どもの最初の先生は「両親」であることを忘れてはいけません。
良いことも悪いことも怒り方も褒め方も口癖も何もかも、まずは親から学んでいきます。
まずは子どもの行動を正すことよりもお母さん自身が言動を改めた方が早い。なんてこともあります。

子育ての軸をしっかりと決めて子どもと接していきましょう。
そして子どもが心を改めたときには、褒めること・認めてあげることも忘れてはいけません。

子どもの発達段階を理解して、正しい叱り方を身につけよう

お母さんがいくら子どもの事を想って叱っても
子どもが理解出来る年齢に達していなければ、全く伝わりません。
年齢別に伝え方を考えられるといいですよね!

【0歳・1歳頃】乳児期の子どもの叱り方

0歳や1歳頃はまだ言葉が通じないから叱ってもしょうがないと思う方もいるかもしれませんが、実はそんなことはありません。

1歳くらいでも、大人の言葉はほとんど理解出来ていると言われていますし
怒っているかどうかは表情や声のトーン、雰囲気でも伝わります。

この頃は「表情と声のトーンで叱る」ようにしましょう。
悪いことをしたその場で目を合わせて
「ダメだよ!」「痛いよ!」など短く叱るようにしましょう。

ただし、0歳から1歳頃は、正しく意図や状況が伝わらないことも多いので、あまり叱らないで済む工夫や安全な環境作りを心がけましょう。

【2歳・3歳頃】幼児前期の子どもの叱り方

2歳・3歳頃はイヤイヤ期も始まり、好奇心も育ち叱りたくなるシーンも増えます。

人に手を出してしまったり、ダメと言われていることをやりたくなったりする時期です。
決してお母さんを困らせてやろう!なんて思っていないことは理解してあげてください^^

親のいうことをなんでもイヤイヤいう時期でもあるので、子どもの気持ちや感情を受け止めて尊重しつつ、生活や遊びのなかには必要なルールもあることを短く簡潔に伝えて叱るようにしましょう。

イヤイヤするということは裏返せば「自分でやりたいことがある」ということです。
その気持ちはしっかりと尊重してあげられるようになると良いですね^^

【4歳・5歳・6歳】幼児後期の子どもの叱り方

4歳・5歳・6歳頃になると大人のいうこともしっかりと理解できるようになります。

叱るときにしっかり理由を伝え、一貫性を持たせることが大切です。

「昨日はダメっていったのに今日は怒られない」「泣いたらいうことを聞いてくれた」などしてしまうと、子どもも何が良くて何が悪いのか混乱してしまいます。

4歳頃からは、人の気持ちも理解しやすくなるのできちんと説明するのが大切です。
ただし、相手の立場に立って物事を考えられるほどの発達はしていません。
○○ちゃんがそうだったらどう思う??など立場を変えて考える事は難しいので
お母さんが叩かれちゃったらどう思う??と伝えると近い感情が理解出来ると言われていますよ♪

さらに5~6歳頃は自分の子とだけではなくて
「友達の気持ち」や「どうしたら良かったのか」など本人にもしっかり考えさせることが大切です。

人前で叱られると恥ずかしいなど、羞恥心が芽生える頃でもあるので、人前で叱りつけないように気をつけたほうが良いでしょう。

このように子どもの発達に合わせてお母さん自身が対応を変えていく必要があります。

やってはいけない叱り方5選!

そして、どの年齢でも決してやってはいけない叱り方を5つご紹介します。

感情任せに大きな声で怒鳴りつける

子どもの態度にイライラしてしまい、感情的に怒鳴ってしまったという経験がある人は多いのではないでしょうか。
これは、やってはいけない間違った叱り方です。

たしかに、子育てをしているとイライラがつきもの。心に余裕がなくなって一気に爆発…というのはよくある話です。

しかし、感情的に怒鳴ってしまうと、子どもは“してはいけないこと”の理由が分からないまま、萎縮してしまいます。怒鳴るというのは、恐怖心を与えることによって子どもから考える時間を奪い、大人の考えを押し付けているのと同じこと。根本的な解決にはならないでしょう。

一つ面白い研究結果があります。
人間は大きな衝撃を持って覚えた感情は孫の代まで遺伝する。ということ。
なので、幼少期、萎縮するほど怒鳴られ育ってきた子の子ども、その子どもまで
怒られて怖いと萎縮した感情は遺伝するのです。
同じように良い感情も遺伝するので、できる限り良い感情を遺伝させてあげたいですよね。

子どもに大切なことを伝えたいなら感情でぶつからずに、一旦大きく深呼吸しましょう。

そして、気持ちを落ち着かせてから、正しく叱ることを心掛けましょう。

人格を否定する

子どもの人格を否定する叱り方は、絶対にしてはいけません。先述したように、叱るというのは愛情を持って子どもと接することです。人格を否定して傷つけることは、叱っているのではなく、自分のフラストレーションを発散させているだけ。子どもは所有物ではありません。子どもの心を傷つける行為は止めましょう。

ホントにおまえはダメなやつだな。
おまえなんて生まなきゃ良かった。

など、怒りたい事は出来事のハズなのに人格まで否定してしまうことは避けましょう。

それに、保護者の方から否定された子どもは、自分の存在価値が分からなくなってしまいます。自信がなくなり、やる気も失われ、ネガティブ思考になるといったマイナスのことばかりが起こるのです。

そうなってくると子どもは親に否定されないようにされないようにと顔色をうかがって過ごすようになり
自分の能力を発揮する場がなくなってしまいます。

子どもの可能性をつぶすことになりかねませんので絶対に避けましょう。

人と比べる

人と比べて叱るのは間違いです。保護者の方としては誰かと競争させ、意欲を高めるために「○○ちゃんはお利口さんなのに」と、叱ってしまうのでしょう。
兄弟と比べることもやってしまいがち。

しかし、人と比べて叱ってしまうと自分は出来ない子なんだ。人よりも劣っているんだ。とどんどん自信をなくしてしまいます。

比べるならば「過去のその子」と比べてあげましょう。
昨日よりも頑張れたところを認め、過去よりも出来なかった部分があるならば過去に出来たから出来るよ!
といった声かけに変えていけると良いでしょう。

いつまでも、くどくど怒る

くどくど叱るのは止めましょう。いつまでもしつこく言い続けても、子どもの耳には入りません。叱られる時間は、誰でも嫌ですよね。それが長々と続くと子どもは嫌だという気持ちだけが強くなり、叱られている原因を見失ってしまいます。

言い足りないことがあるかもしれませんが、ここはグッと我慢です。短い言葉の中に全てを込めた方が子どもには伝わりますよ。

手をあげる

子どもを叱るうえで、たたくことは許されません。手をあげることは暴力で虐待です。しつけの一環だと主張する人がいますが、暴力は暴力でしかありません。そこから得られる効果は何一つないのです。

子どもに恐怖感を与え、支配することは叱るとは言えません。

その場一時に効果は絶大かもしれませんが、暴力で支配された子どもは、本当に悪かったことが分からないと共に
自分の怒りの感情も叩くことでの表現に変わってしまってメリットは何一つありません。

叱るときに気をつけること3選!

叱るときに気をつけたい3つのこと
そうはいっても、叱るときにはしっかりと叱っていくことは、子育てに於いて大切なことです。
知っているだけでイライラが軽減したり、子どもへの伝わり方が激変します!!

子どもは失敗を繰り返して成長していく

「何度言ったらわかるの!!」とつい言いたくなるほど、同じ失敗を繰り返します。
ですが、子どもはとにかくたくさんたくさん同じ失敗を繰り返します。失敗を繰り返して成長していきます。
大人も何か失敗したときは、失敗の原因を考え、次からどうすればいいのか解決策を模索しますよね。

子どもも同じです。失敗することは成長するチャンスなのです。ただし、子どもは大人よりも器用ではありませんし、
思考回路も大人ほど有能ではありません。
何度でも同じような失敗をしてしまいます。叱られても一度で理解し、改善するのは難しいことなのです。

できないことができるようになったとき、子どもは大きく成長します。怒って押さえつけるよりも、正しく叱って子どもの可能性をひろげてあげましょう。

出来ないことよりも出来たことに目を向ける

大人から見ると、子どもは“できないこと”が多いですよね。失敗が多いと、ダメな部分ばかり目についてしまいがち。そうすると、わざとではない失敗や、子どもが反省しているときにもたたみかけるように叱ってしまいます。間違ったときに、あからさまにガッカリしたようなしぐさを見せてしまうこともあるかもしれません。

できれば失敗して欲しくない
間違った道に進んで欲しくない
というママの愛情に思われがちでついつい口を出して叱ってしまいがちですが
“できないこと”だけに目を向けるのは止めましょう。

子どもの可能性は無限大。大人の思い通りにならないことも多いでしょう。命の危険に関すること、社会のルールに反することなど、本当に大切なこと以外は叱らずに“できること”を褒めると子どもは伸びていきますし、

じぶんで正しい道を導き出すチカラもついて行きます。

ママも間違ったことをしたらきちんと謝る

子どもへの叱り方を間違えたときは、きちんと謝りましょう。
子どもにも、間違ったことをしたときは謝らなければならないと、教えいるはずですが
お母さん自身がまず謝れるようになることが子どもが謝れるようになる一番の近道です。

子どもも意思を持った1人の人間です。子どもの心をないがしろにせず、向き合うことが大切です。叱りすぎたときも、あとからフォローをすると子どもの傷ついた心は和らいできます。愛情を持って接してあげてくださいね。

例えば、怒り任せに怒ってしまったときは
「さっきは大きな声で怒ってごめんなさい。お母さんは○○って思ってつい怒ってしまいました」
と子ども相手にも対、人であるということを忘れずに伝えられると良いですね。

まとめ

とはいっても、数十年生きてきたママにも怒りの思考の癖が存在します。
いけないことだと理解していても、なかなか実践出来なかったり
頭でわかっているからこそ、実践出来なくてまた自分にイライラしてしまって、子どもにあたってしまったりと
悪循環を生んでいることも少なくありません。

そんな時はどうしたらいいのでしょうか?
まずはお母さん自身がしっかりとご自身の感情に向き合いコントロール出来るようになること
子どもの発達段階を理解して、子どもの思考を理解してあげること
が重要です。

怒りの感情のコントロールはアンガーコントロールやアンガーマネジメントといわれていますが
しっかりと自分の価値観や思考というのを理解したり、怒りの癖というのを理解して
怒りの感情の表現方法の引き出しを多く持つことが大切です。

お母さん自身が自分自身の怒りの感情と向き合わずに怒りっぽいままだったり
~すべきだ。
という思考に囚われていると子どもの可能性の芽をつぶしかねません。

まずはしっかりとお母さん自身がお母さん自身の感情と向き合うようにしましょう。

そして、子どもの発達段階を理解してあげて
まだこの子にはこの伝え方ではわからないんだな。
今、この段階にいるから分からなくて当然なんだな。
ということがわかれば、まず怒りに変わってくることもぐっと少なくなります。

お母さん自身がお子さんのことを理解して、自分の感情を上手くコントロール出来るようになると
子どもへの伝え方が変わり、子どもも感情のコントロールが出来る子に育っていきます。

でも、どうやって子どもの発達段階を学んだり、感情のコントロールをしていったらいいのか・・・?

そういうときはしっかりと学び、プロに任せましょう。
子育てについて、感情のコントロールについて
一人であれこれ悩むよりもぐっと早く解決に導いてくれますよ^^

まずはお母さん自身が子育ての軸をしっかりとつくることから始めて見てくださいね^^