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【改正】育児介護休業法障害児の親も対象になる!ガイドラインの内容をわかりやすく解説

子育てや介護をしながら働くって、本当に大変なことですよね。でも働くことを辞めるわけにはいかない…。そんな障害児の親の味方になってくれるのが、育児介護休業法です。

2025年4月に育児介護休業法が改正されました。より休みやすく、より働きやすくなるために手厚い内容になっています。そして知らない人も多いのですが、障害者の親も介護休業を取得できる対象者なんです。4月からは障害児の親も対象であることを周知するために、基準の中に明記することとしました。

この記事では障害児を育てるママやパパのために、育児介護休業法の介護休業の部分について詳しくそして分かりやすく解説していきます。

具体的な対象基準や申請方法、育児介護休業法に関する実際のSNSの声もまとめましたので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

2025年4月改正育児介護休業法の育児休業について詳しく知りたい方→育児介護休業法を図解で分かりやすく解説!2025年4月の改正で変わった育児の5つのポイント – 一般社団法人sunnysmile協会

育児介護休業法障害児の親も対象になる!

介護休業を取得した障害児の親

介護休業は、要介護認定を受けた家族の介護のために一定期間、仕事を休める制度です。介護というと高齢者の介護を想像しがちですが、実は障害児も対象なんです。

具体的には「要介護状態にある子供」の親も対象として認められています。障害や疾病により、常時の看護や介護が必要な子供の世話をする際に、介護休暇が取得できます。これは多くの会社で利用できるようになっています。

2025年4月の改正によってより柔軟に

2025年4月の改正以前も、障害児の親も介護休業を取得することができていました。しかし高齢者をメインとした条文だったので、とても分かりづらかったんです。1991年に法律ができてから30余年、初めて、障害児を育てながら働く親たちへの配慮の視点が盛り込まれました。

今回の改正で「個別の意向の確認と配慮」が事業主の義務となっています。厚生労働省は、雇う側は雇われる側の個別の意向をきちんと確認し、配慮しなければならないということを明言しています。つまり「我が家はこういう事情なので、こういう働き方はできないか?」と会社に個別で相談できて、会社側はそれに対応するよう努力しなければならないということです。

この文言が条文に加えられたことで、より会社側に相談しやすくなりました。会社側は絶対に拒否することはできませんから、安心して相談してくださいね。

育児休業最大93日を3回に分けて取得可能

子供1人につき最大93日取得できます。さらに3回まで分けて取得することも可能です。例えば学校の長期休みの時や体調に変化があった時など、分けて取れるのはいい点です。しかし、休業を開始したい日より2週間前に申請をしなくてはいけないという点は、要注意です。ただ会社の規定のよっては2週間より早く取ることもできる可能性がありますので、予め相談しておくことが必要です。

突然のお休みの際には、介護休暇を取得できます。子供1人につき年5日取得でき、丸1日でも短時間でも取得できます。これまで入社6か月未満の職員は対象外でしたが、2025年4月の改正からは入社直後でも、週に2日以上勤務している人であれば誰でも取得できるようになりました。

ちなみに対象の家族は「子」だけでなく、「孫」という記載もありますので、介護休業や介護休暇をおじいちゃんおばあちゃんに取ってもらうことも可能です。同居していなくても取得することができます。

障害児の育児休業対象の基準と介護休業給付金

介護休業を取得した障害児の親

育児介護休業法では、介護休業を取得できる対象家族の基準が定められています。その詳しい基準と給付金についてもお伝えしますね。

育児介護休業法障害の基準は2週間以上の介護

厚生労働省は対象となる家族の基準を、以下のようにしています。

❝介護休業は、対象家族であって2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態にあるもの(障害児・者や医療的ケア児・者を介護・支援する場合を含む。ただし、乳幼児の通常の成育過程において日常生活上必要な便宜を供与する必要がある場合は含まない。)を介護するための休業❞

また要介護状態に当たる状態が、どのような状態かも詳細に書かれています。

引用:厚生労働省「よくあるお問い合わせ」

ただし、厳密にこの基準に当てはまっていなくても大丈夫です。「見守りやケアが必要」な状態であれば取得可能です。たとえば不登校になってしまった時や、いじめにより心身ともにケアが必要になった際も取得が可能です。

会社に規定により、診断書等が必要だったりそうでなかったりするので、確認してくださいね。

障害児との関わり方に悩むママはこちらも読んでね→発達障害の子どもへの親の関わり方!困りごとを解決し能力を伸ばすコツ – 一般社団法人sunnysmile協会

介護休業給付金も取得できる

障害児の介護のために介護休業を取得した場合、介護休業給付金ももらえます!一定の条件を満たせば、1日以上最長93日まで給料の67%が給付されます。

一定の条件とは以下の通りです。

  • 介護が必要な状態の家族についての公的な証明
  • 雇用保険の被保険者
  • ハローワークへの申請手続き

複数回介護休業を取得した場合、1回あたりの期間が短すぎるともらえないケースもあります。

その他ケースによって条件が変わる場合もありますので、給付金を受け取りたいという方は会社や近くのハローワークに確認することをおすすめします!

育児介護休業法障害児の親の口コミ「93日じゃ足りない!」

障害児の親が育児介護休業法について話している

❝71人から回答があり、40%が「利用したことがある」と回答しましたが、13%が「利用したかったが、できなかった」と回答しています。利用できなかった理由に「高齢者向けの制度」「前例がない」と担当者に言われるなど、人事や労務担当者の制度の思い違いによる事例も見受けられました。❞

mi-mollet「障害児を育てながら働く」

このように書いているサイトがありました。確かに正直私も、介護休業と聞くと高齢者のイメージが強く障害児が対象になるとは知りませんでした。しかしそれでは障害児の親は困ってしまいますよね。

実際に世の中の働く障害児の親たちは、育児介護休業法のついてどのように感じているのか調べるために、介護休業に関するリアルな意見をSNSから集めてきました!

目が離せない娘のために介護休業

育児介護休業法の対する障害児の親の意見

❝昨日娘に診断がおりた。『身体表現性障害』『うつ傾向』病名がついたからって治るわけじゃないけど…とりあえず介護休業します。幼児退行もあるので、目が離せない。

介護休業を取って、少しでも一緒にいられる時間が増えるといいですね。雇用保険に加入していれば、給料の67%の介護休業給付金も受け取れますからね。

介護休業の利用がもっと増えてほしい

育児介護休業法の対する障害児の親の意見

❝子供の年齢と不登校理由にもよるけど、適応障害とかの診断書出してもらって「介護を要する(準ずる)状態」認定とって特別介護休暇とか介護休暇とかを利用する、また親族介護を理由とするリモートワークや時短の利用などがもっと増えてほしい。

診断書が必要かどうかは会社の規定にもよりますが、もっと休暇が申請しやすくなる、取りやすくなるような制度にして欲しいですね。

育児介護休業法改正によって会社の制度も良くなった

育児介護休業法の対する障害児の親の意見

❝そんな中、今年5月に障害児を育てる親への配慮が初めて盛り込まれた改正育児・介護休業法が成立し、来年4月から施行されることに先駆けて、1時間遅く出勤した分を積立有給休暇から1時間ずつ使っていく仕組みや、有給休暇とは別に養育休暇を月に5日まで取得できる制度を導入した企業もあるそうです。

育児休業の方でも、法律よりももっと充実した制度を盛り込む企業が増えてきましたね。介護休業の方も更に柔軟な対応をしてくれる企業が増えてくれると嬉しいです。

介護休業思い切って使って良かった

育児介護休業法の対する障害児の親の意見

❝1年半前に、私の妻が介護休業を使って、子供が療育施設に新規で入るために段取りができたんですよね。この制度、未就学児を対象にしているかよく分からんけど使えるんじゃない?と試してみなければ、詰んでたかもしれないと、今になって思います。

2025年4月の改正前は、障害児も介護休業の対象になると明記されていたわけではなかったので、休みを取りたくても取れなかった方も多いようでした。今回の改正で明記されたことによって、介護休業を取りたいと会社に言いやすくなるといいですよね。

介護休業93日じゃ足りない

育児介護休業法の対する障害児の親の意見

❝介護休業93日で障害児の療育とか終わるわけねーじゃん。おっめでてぇ頭だわ❞

ちょっと言い方はあれですが…でも確かにそうですよね。障害の程度や家庭の状況にもよりますが、93日では足りないという家庭もありそうです。

育児介護休業法の改正には、「障害児の親が介護休業を取りやすくなった!」という声もある反面、「これっぽっちの改正内容じゃ足りない」という声もあり、賛否両論です。また、法律はあくまでも最低基準なので、もっと制度が良い会社も今ではあります。

介護休業を取得できる労働者の対象が、入社から6か月という項目がなくなったので、自分の家庭状況に合った会社を探して転職してみるのも1つの手ですね。

まとめ

介護休業取得中の障害児の親

今回は、育児介護休業法の障害児のための介護休業について詳しくお伝えしました。

今回の改正で、障害児の親も介護休業が取れるということが明記されたことによって、実際に介護休業を取る親だけではなく、会社側や他の社員にも周知され、理解が広がることを私は願っています。

また、今回の改正によって会社側は、申し出があった対象労働者には意向確認や配慮をしなければならないと義務化されましたので、障害児の親は事前に会社側に家庭の状況を伝えておくことが大切です。会社側や他の社員と密にコミュニケーションを取っておくことで、介護休業を取る際にもスムーズに連携が取れるはずです。

私の場合は育児休業ですが、立て続けに3回取得しました。その間、会社や他の社員は本当に大変だったと思いますが、以前から良好な関係を築いており、仕事でもたくさん貢献してきたので「行ってらっしゃい」と快く見送ってくれました。

また気持ちよく復帰するためにも、密に連携を取っておくことは必要なことです。

障害児育児と仕事、家事、その他もろもろ…毎日こなしているママは本当にすごいです!でも頑張りすぎないでくださいね。いろんな制度やサービスに頼ることも大切ですよ。

sunnysmile協会では、たくさんのママ達と交流でき、子育て相談も随時受け付けています。気軽に遊びに来てくださいね♡

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#育児介護休業法 #障害児 

一般社団法人sunnysmile協会は、子育てや働き方に悩むママのためのコミュニティです。 毎月オンラインにて勉強会や相談会などを行っておりますので、 お困りのことがあれば、お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ゆり(4歳、3歳、1歳男の子3人)
介護福祉士歴12年のワーママ。
sunnysmile協会で子育てコーチングを学び、忙しい中でも最大限に子どもとの関りを持ち満足のいく育児ができている。2024年内に個人事業主として在宅ワーカーに転身予定。