朝6時、子どものおでこを触ったら熱い。体温計は38度。その瞬間、頭に浮かぶのは「また休むって言いづらい……」ではないでしょうか。保育士ママにとって、子どもの発熱は心配と同時に、職場への申し訳なさが一気に押し寄せる瞬間です。
しかもこれから冬にかけては、感染症が流行りやすいシーズン。休みの連絡が続くと、気まずさも積み重なっていきます。この記事では、同じく子育てをしながら保育士として働く私が、休みの気まずさとの付き合い方と、罪悪感を減らすための4つのコツをお伝えします。
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目次
子持ち保育士が休みを「気まずい」と感じるのは当たり前

「また休むの?って思われてないかな」「みんなに負担をかけて申し訳ない」。子どもの熱で休むたびに、こんな気持ちになっていませんか? 実はこの気まずさ、あなたが特別に気にしすぎなわけではありません。
保育士という仕事には、ほかの職種よりも休みづらい構造があります。そして子持ち保育士は、「休まれる側」の大変さも身をもって知っているからこそ、余計に苦しくなってしまうんです。
まずは、なぜこんなに気まずいのかを整理してみましょう。理由がわかると、「私がダメだから」という自分責めから少し離れられますよ。
保育士の休みが特に気まずい3つの理由
保育士の休みが気まずくなりやすいのには、はっきりした理由があります。1つめは、配置基準があること。0歳児は子ども3人に保育士1人、1・2歳児は6人に1人と決まっていて、1人抜けると基準を満たすために誰かが動かなければなりません。
2つめは、代わりが見つかりにくいこと。会社のように「今日の作業は明日に回す」ができず、子どもたちは今日も登園してきます。3つめは、行事や発表会の練習など、その日にしかできない保育があること。
担任が抜けると、計画そのものを組み直す必要も出てきます。つまり気まずさの正体は、あなたの性格ではなく「仕事の仕組み」。まずはそこを知っておくだけで、心の重さは少し変わります。

「休まれる側」の大変さを知っているからこそ苦しい
子持ち保育士の多くは、子どもを産む前に「休まれる側」を経験しています。急な欠員でフリーの先生がいなくなったり、やりたかった作業ができなくなったり、自分のクラスと隣のクラスを行き来したり……。
あの大変さを知っているからこそ、「今度は私がみんなにそれをさせている」と感じてしまうんですよね。私自身、結婚前・子どもがいなかった頃は、誰かが休むたびに「あ、今日は仕事がスムーズにいかないかも」と感じていました。
迷惑とまでは思わなかったけれど、それなりの負担は感じていたんです。でも、いざ自分が休む側になってみると、どうしようもないことはどうしようもない。そうなってしまったことは仕方がない、人間だもの、と思えるようになりました。
休まれる側の大変さを知っているのは、裏を返せば「仲間の気持ちがわかる人」だということ。その想像力は、職場にとって大切な力です。申し訳なさを感じるのは、あなたが周りを大切にしている証拠。気まずさを抱えている自分を、まずは責めないであげてください。
休みの気まずさを減らす、日頃の準備【子どもの熱は必ず来る前提で】

小さな子どもは、熱を出すのが仕事のようなもの。特に入園から数年は、「今月は何回休んだっけ……」というくらい体調を崩すこともあります。だからこそ大切なのは、「熱が出ないこと」を祈るより、「熱は必ず出る」前提で準備しておくこと。
準備ができていると、いざ休むときの連絡もスムーズになり、職場の負担も、自分の罪悪感もぐっと軽くなります。ここでは、保育士ママが日頃からしておきたい2つの準備を紹介します。どちらも元気なうちにやっておくのがポイントです。

「私がいなくても回る」引き継ぎの準備をしておく
急に休むとき、職場がいちばん困るのは「今日何をする予定だったのか」がわからないことです。そこでおすすめなのが、クラスの情報をふだんから共有しておくこと。
たとえば、週案や今日の活動の準備物の置き場所、配慮が必要な子の情報、保護者への連絡事項などを、クラスの先生と見られる場所にまとめておく。製作の準備は前日までに済ませて、誰が見てもわかるようにメモを添えておく。
それだけで、代わりに入ってくれる先生の負担は大きく減ります。「私しか知らないこと」を減らすことは、自分のためだけでなく、子どもたちの安心にもつながります。休むことへの罪悪感は、準備で軽くできるんです。
家族・病児保育・ファミサポ……預け先の選択肢を増やしておく
もうひとつの準備は、「子どもが熱を出したときの預け先」を複数持っておくことです。パートナーと交互に休む、実家や親戚に頼む、病児保育やファミリーサポートを利用するなど、選択肢があるほど「毎回私が休む」状態から抜け出せます。
病児保育は事前登録が必要なところが多いので、元気なうちに登録だけでも済ませておくと安心です。パートナーとは「どちらが休むか」を朝にもめないよう、あらかじめ順番やルールを話し合っておくのもおすすめ。
全部をママ一人で抱えないことが、長く働き続けるためのいちばんのコツです。頼れる先が増えると、心にも余裕が生まれますよ。
それでも、どうしても代わりが見つからないときもあります。私自身、子どもが体調を崩したときやケガをしたときは、「それでも仕事に行けないかな」と一度もがいてみることが多いです。
家族に相談して「見てもらえる人はいないか」と聞いてみて、それでもどうしても都合がつかないときに、「すみません、私が休むことになるんですけれども」と連絡する。がんばってみた形跡を見せることも、自分の中の納得感につながっている気がします。

子持ち保育士の罪悪感を減らす、休み方・伝え方4つのコツ

準備をしていても、休む日はやってきます。そんなときに気まずさを左右するのが、「どう休むか」「どう伝えるか」です。同じように休んでいても、職場で応援される人と、ちょっと気まずくなってしまう人がいますよね。
その違いは、休む回数よりも、ちょっとした伝え方や振る舞いにあることが多いもの。ここでは、休むことへの罪悪感を減らし、職場との関係も大切にできる4つのコツを紹介します。どれも今日からできることばかりなので、できそうなものから取り入れてみてくださいね。
コツ① 連絡は「早く・具体的に」見通しも添えて
休むときの連絡は、できるだけ早く入れるのがいちばんの思いやりです。園はその連絡をもとに、配置を組み直したり、フリーの先生に声をかけたりします。少しでも早ければ、それだけ動きやすくなるんです。
さらに、「今日は休みます」だけでなく「病院に行って、午後には明日の見通しを連絡します」と一言添えると、職場は先の予定を立てやすくなります。引き継ぎがあれば、「今日の製作の準備は棚の青い箱にあります」など、具体的に伝えましょう。
保育で子どもに「見通し」を伝えると安心するのと同じで、大人も見通しがあると落ち着いて動けるものです。
コツ② 「すみません」より「ありがとう」を伝える
復帰した日、つい「すみませんでした」を何度も繰り返してしまいませんか? もちろんお詫びも大切ですが、謝りすぎると自分の罪悪感がどんどん大きくなり、受け取る側も反応に困ってしまいます。そこでおすすめなのが、「ありがとう」を中心に伝えること。
私は「お休みありがとうございました。おかげで今日無事に子どもたち元気に保育園に行けました」というふうに、具体的に感謝を伝えるようにしています。反対に、休んだ後に「大変だったね、お疲れさま」と言ってもらえたときは、本当にほっとしましたし、嬉しかったです。
子どもたちにも「ごめんね」より「ありがとう」を伝えたほうがうれしそうにするのと同じ。感謝の言葉は、職場の空気をやわらかくしてくれます。

コツ③ 復帰後は「小さなお返し」を積み重ねる
休みの貸し借りを全部取り返そうとすると、しんどくなってしまいます。大切なのは、大きなお返しより「小さなお返し」を積み重ねること。たとえば、元気な日に周りの先生の製作の準備を手伝う、自分から「これやっておきますね」と声をかける、他の先生が休んだ日にはできる範囲でフォローに入る。
そんな小さなことで十分です。大切なのは、「お互いさま」の循環をつくること。子育て中の今は助けてもらうことが多くても、いつか誰かの介護や体調不良を自分が支える側になることもあります。今できる形で心を返していけば、それで大丈夫です。
コツ④ 「子の看護等休暇」など、制度を知って堂々と使う
子どもの病気やけがで休むときは、「子の看護等休暇」という法律で決まった制度が使えます。子ども1人なら年5日、2人以上なら年10日まで。有給制度とは別に取れるので、有給を使い果たしていても大丈夫です(給料が出るかどうかは園の規則次第)。
2025年4月からは対象が小学校3年生修了までに広がり、感染症による学級閉鎖や入園式・卒園式への参加も取得理由に加わりました。
パートの保育士も対象ですが、園によっては労使の取り決めで「週の勤務が2日以下」の人を対象外にしていることもあるので、就業規則を一度確認しておくと安心です。「法律で認められた権利」だと知っているだけで、休むときの心の重さは少し軽くなります。

休むのは迷惑じゃない。子持ち保育士が働き続ける価値

ここまで、休みの気まずさを減らす準備やコツをお伝えしてきました。でも最後にいちばん伝えたいのは、「子どものために休むことは、迷惑ではない」ということです。保育士は、他の家庭の子どもたちの成長を支える仕事。
その仕事をしている私たちが、自分の子どものことを後回しにしてしまったら、本末転倒だと思いませんか? 子持ち保育士が安心して働き続けられることは、職場にとっても、保育の世界にとっても大きな価値があります。
「お互いさま」の職場は、休める人がいることでつくられる
子持ち保育士が休める職場は、実は他の先生にとっても働きやすい職場です。体調を崩したとき、家族に何かあったとき、誰もが「休んでいいよ」と言い合える空気は、誰かが休むことから生まれます。
そして、子育てをしながら働く先生は、保護者の気持ちが実感としてわかるという大きな強みも持っています。お迎えのときの「熱が出て大変でしたね」の一言に、心がこもるようになるんですよね。
あなたが働き続けることは、後に続く保育士ママたちの道をつくることにもなります。
子どもの「安全基地」でいるために、自分を責めすぎないで
熱を出した子どもにとって、ママがそばにいてくれる時間は何よりの安心です。保育士として「安全基地」の大切さを知っている私たちだからこそ、その時間を罪悪感でいっぱいにしないでほしいんです。
職場への感謝は復帰してからたっぷり伝えれば大丈夫。休む日は、「今日はこの子のための日」と割り切って、ゆっくり一緒に過ごしてくださいね。
私自身、休むときに大切にしているのは、「休んで当然」という姿勢を見せないことです。制度としては確かに当然の権利ですが、だからといって偉そうな態度を取るのは違うかな、と思っています。
休みはお互いさまだからこそ、代わりに入ってくれた先生や、協力してくれた周りの人たちへの感謝を忘れないこと。その気持ちを持ちながら、堂々と休むこと。それが、長く気持ちよく働き続けるための、私なりのバランスです。
また、保育園に通い始めて風邪を繰り返す時期には、食事や睡眠など、毎日の生活から子どもの体を整える工夫もできます。気になる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
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この記事を書いた人

ゆい(4歳男の子、3歳女の子)
3、4歳の年子ママ。保育士として1,500人以上の子どもたちと携わる。2人目の妊娠をきっかけにを個人事業開始。現在、地元の事業家や専門家と共に商品開発を進めている。情報発信やスキル提供で出会った人達へ笑顔を提供しています。仕事のモットーは「気持ちにまっすぐ」「頑張らないように頑張る」Instagramでは帰宅後10分腸活レシピを発信中♪