何度言っても伝わらなくてまた怒ってしまった。どうして私はこんなにダメなんだろう…
毎日そう思いながら、疲れ果てていませんか?
私もかつて、自閉症スペクトラム症(ASD)の長女に何度も同じことを言い続け、怒って、泣いて、自己嫌悪に陥る毎日を繰り返していました。
でも、ある日「言葉だけで伝えるのをやめてみよう」と決めたことで、少しずつ親子の毎日が変わっていったんです。
その鍵になったのが、「絵カード」でした。
この記事では、
- わが家で2年以上使い続けている絵カードの使い方を場面別に紹介
- 「作ったけど使えない…」という方向けの続けるためのコツ
- 子育てコーチングの知識と掛け合わせてより効果的に活用した体験談
をお伝えします。
「絵カードって何から始めればいいの?」「うちの子には合わないのかも…」と悩んでいるママにこそ、読んでほしい内容です。ぜひ最後まで読んでみてください。
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指示が通らない・癇癪・言ってもわからないを解消!わが家の絵カード体験談

私の長女ですが、絵カードの存在を知る前は、指示が通らず癇癪ばかり起こす長女に怒ってばかりでした。
そんな長女が絵カードを活用してどう変わったのかについてお伝えします。
Before:同じことを何度も言って、毎日怒ってばかりいた
私の長女は現在小学1年生で、軽度の自閉症スペクトラム症(ASD)があります。
診断を受ける前の私は、長女が「言ったことを覚えていない」「同じミスを繰り返す」ことに、毎日のようにイライラしていました。
「靴下履いて、トイレ行って、カバン持ってきて」
「歯磨きしてから着替えてね」
そんな何気ない指示でも、途中でフリーズしてしまう長女。
気づけば「さっき言ったよね?」「なんでできないの?」と怒鳴っていて、そのたびに自己嫌悪に陥っていました。
でも今になって思うのは、長女は「聞いていなかった」のではなく、「頭の中だけで整理するのが難しかった」のだということ。
自閉症の特性の一つである「ワーキングメモリの弱さ」は、複数の指示を同時に記憶・処理することを難しくします。私が知らなかっただけで、長女はずっと、自分なりに一生懸命だったんです。
それを知ったとき、「もっと早く知っていれば…」と胸が痛くなりました。
After:「見える化」で不安が消え、自分から動けるように!
絵カードを始めたきっかけは、通っていた療育の先生の一言でした。
お家でも、やることを”見える形”にしてあげると、ぐっとラクになりますよ。
半信半疑でしたが、朝の支度・お風呂・保育園の準備などをスケジュールボードに貼り出してみたところ…「次何するの?」と聞かれる回数が激減したんです。
さらに驚いたのは、「できた!」と自分でカードをめくる長女の表情!楽しそうにしていて、自信に満ちた長女の顔を見て、私も思わず涙が出てしまいました。
ママである自身も、質問される回数や、できないことをもう一度説明する手間も減って、日常生活がグッとラクになりました。
絵カードは、子どもの行動を変えるだけでなく、ママが怒らなくて済む仕組みを作ってくれるものだと気づきました。
場面別|生活がラクになった絵カードの使い方5選

ここでは私の経験をもとに、生活をラクにしてくれる絵カードの活用法を5つご紹介します。
1.スケジュールボードで「やること」を視覚化

わが家で最初に取り入れたのが、1日・1週間の流れを貼り出すスケジュールボードです。
自閉症の子どもは「次に何が起きるか分からない」状態がとても苦手です。
見通しのない状態は、大人で言えば「目的地も所要時間も分からないまま車に乗せられる感覚」に近いとも言われています。
だからこそ、
- 今日はどこへ行くのか
- 何時に何をするのか
- この活動が終わったら次は何か
を先に伝えておくだけで、子どもの安心感が全然違ってきます。
保育園の頃は「実際の写真+ひらがな」で作っていましたが、小学生になった今はひらがなだけで理解できるようになりました。
成長に合わせて形を変えられるのも、絵カードの大きな魅力です。
▼スケジュールボードの作成方法はこちらで紹介しています。
【経験談】発達障害子どものスケジュールボードはダイソーで手作り!見通しを立てる工夫とは
2.お支度ボードで”自分でできた”を増やす

この2年間、我が家で最も大活躍しているのが「お支度ボード」です。
何かと忙しい朝の身支度ですが、手順を順番に並べておくだけで、ぐっと自分で動きやすくなります。
例:朝のお支度カード(順番に並べる)
- トイレ
- きがえる
- はみがき
- かばんの準備
- ぼうしをかぶる
「ママ、次は?」と何度も聞かれることが減り、口頭指示も激減。
毎回ゼロから指示を出さなくていい、というだけで、私のストレスは本当に軽くなりました。
お支度ボードは、朝の支度以外にも
- 帰宅後のルーティン説明
- 夜の支度
- 持ち物の用意
- 着替えの準備
などにも応用できますので、活用の幅はかなり広いです。
自閉症の子は何度も注意されることで自信をなくしやすかったり、パニックになりやすかったりします。
「ママが言わなくても分かる仕組み」を作ることは、子どもにとっても、ママにとっても、とても大切なことなんです。
▼お支度ボードをフル活用するには?
発達障害の子どもにお支度ボードが使えないのは嘘!工夫したら100%活用できた方法
子育てのお悩みお気軽にどうぞ
3.選択肢を作って選んでもらう

「何食べたい?」
「何して遊ぶ?」
こう聞かれても「分からない」と答えることが多い自閉症の子。
これは「意地悪」でも「やる気がない」わけでもなく、選択肢が広すぎて頭が整理できないことが多いのです。
そこでおすすめなのが、2〜3択のカードで”選べる状態”を作ること。
- 公園 / おうち
- パン / ごはん
- お風呂が先 / ごはんが先
指差しで選べるだけで、長女の表情がぱっと明るくなるのが分かりました。
ちなみにわが家では、朝の時短を目的として、朝ごはん用の「メニュー表」を作っていました。
これがかなり成功して、食べたいものへのこだわりは強いのに、言葉で伝えられない長女にとって、“指差しで選べる”ことが安心につながっていたように思います。
「自分で決められた!」という成功体験は、じわじわと自己肯定感を育ててくれますよ。
4.流れを伝えて「初めて」「変更」の不安を和らげる

自閉症の子どもが特に苦手とする場面があります。
- 初めて行く場所
- 予定の変更
- 病院や行事
口頭で「大丈夫だよ」と伝えても、不安が強いとなかなか受け入れられないこともありますよね。
私の長女も5歳くらいまで苦手で、初めての場所は緊張して泣いてばかりいました。
そんな時はこのように、
例:病院に行く流れ
- 受付する
- 名前を呼ばれたらお部屋に入る
- 先生とお話し
- 聴診器(もしもし)をする
- お部屋から出る
- 名前を呼ばれたら帰る
と、流れをカードで見せてあげるのが効果的です。
実際に、わが家の長女は病院(というより注射)が大の苦手でしたが、スケジュールカードで「今日は注射なし・お話だけ」と視覚的に示してから、落ち着いて行けるようになりました。
さらに驚いたのは、注射に行く日も同じように絵カードで説明したところ、普段より落ち着いて病院に行くことができたので、「見通し」が持てると、子どもはぐっと安心するんだな…と実感しました。
5.「気持ちカード」で感情を言葉にする練習

自閉症の子は、人の表情や感情を読み取るのが苦手なことがあります。また、自分の気持ちをうまく言語化できないことも。
「気持ちカード」は、感情を見える形にして教えるための道具です。
- うれしい
- かなしい
- いやだった
- びっくりした
- つかれた
大切なのは、ママ自身も気持ちカードを使うこと。
「ママ、今かなしくなっちゃった」「ちょっとイライラしてるよ」と、言葉と表情をセットにして伝えることで、子どもは少しずつ「気持ち」というものを学んでいきます。
うちの長女も、最初はまったく反応がなかったのに、数ヶ月後には「ママ、怒ってる顔してる」と言えるようになりました。
感情は、教えてもらわないと分からないこともある——それを我が子から教えてもらった気がしています。
ちなみに画像の「気持ちカード」はセリアで100円(税抜)で売られていますので、ぜひ活用してみてくださいね。
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作っても活用が難しい…絵カードを好きになるための工夫6選

絵カードを作ってみたけど、子どもが全然使ってくれない
こんな声、とてもよく聞きます。
でも大丈夫。使えない理由には、ほとんどの場合「解決策」がありますので、ご紹介していきます。
1.まずはママと一緒に使う
絵カードは「渡したら終わり」ではありません。
最初はママが隣に座って、一緒に使いながら進めるのがポイントです。
「次はこれだね!」「できた!やったね!」と明るい声かけをしながら使うことで、“カード=楽しいもの”というイメージが子どもの中に定着していきます。
子どもが絵カードに全然興味がない場合、まずはママが使っているところを見せて興味を惹かせることも手ですよ。
2.「要求」を叶えることを覚えてもらう
いきなりスケジュール管理に使おうとすると、”やらされている感”を感じて嫌がってしまう子もいます。
そんな時は、まず「おやつのカードを出したら好きなおやつがもらえる」「遊びたいおもちゃを指差しカードで選べる」など、”要求が通る体験”から始めましょう。
これはPECS(絵カード交換式コミュニケーション)の考え方にも近く、「カードを使うといいことがある!」 と覚えてもらうことで、絵カードへの抵抗感が自然に薄れていきます。
3.1枚の絵カードを詳細な行動に分ける
「歯磨き」のカードを見せても動かない——そんな時、もしかしたら「歯磨き」という行動が大きすぎるのかもしれません。
歯磨きは実は、
- 歯ブラシを取る
- 歯磨き粉をつける
- 歯を磨く
- うがいをする
- 歯ブラシを戻す
という複数の工程の集まり。
自閉症の子どもには、この「見えない工程」を頭の中だけで整理するのが難しい場合がありますので、1枚のカードを「さらに細かい動作」に分けて示すことで、ぐっと動きやすくなることもあります。
子どもの理解度や発達段階に合わせて、ママが調整していきましょう。
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4.カードの枚数は徐々に増やす
最初から大量のカードを並べると、それ自体が混乱の原因になることも。
はじめは2〜3枚からスタートして、「できた!」を積み重ねてから少しずつ増やしていきましょう。
わが家も最初は3枚からスタートして、少しずつ増やしていっていますので、焦らなくて大丈夫です。
5.イラストよりも写真を多めにする
自閉症の子どもは、「絵のボール=家にある赤いボール」という関連付けが難しく、イコール(一致)でないと理解できないことが多いです。
そのため最初は、
- 実際の持ち物を撮った写真
- 本人が写っている写真
- 自宅や保育園の写真
など、本物に近い写真カードの方が理解しやすいことが多いです。
慣れてきてからイラスト→文字へと移行していけばOK!子どものペースで少しずつ変えていきましょう。
わが家も最初に使っていたのは写真だらけの絵カードでしたが、長女がひらがなを読めるようになってからは、ひらがな+簡単なイラストのものを活用していますよ。
6.【重要】一つできたら褒めるを繰り返す
これが最も大切なことです。
絵カードを使って行動できた時は、その場で、すぐに、大げさなくらい褒める。
「できたね!すごいじゃん!」と満面の笑みで伝えること。
これが積み重なることで、子どもは”絵カードを使うこと”と”ほめてもらえること”を結びつけ、自然と絵カードを使う動機づけになっていきます。
そして何よりも大事なのは、「できたら褒めるのではなく、どんな些細なことでもできたことを見つけて褒めること」です。
- 昨日よりも早く行動できた
- 昨日よりもできたことが一つあった
- 絵カードに興味を持ってくれた
たったこれだけでもいいので、とにかく褒め続けていきましょう。
繰り返し褒め続けることで、子どもに「また褒めてもらいたい!」という気持ちが芽生え、次の行動につながるのです。
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まとめ
絵カードは、決して「魔法のツール」ではありません。
作ってもすぐには使えないことも、子どもが嫌がることも、うまくいかない日も、きっとあると思います。
でも、少しずつ「見える化」を重ねていくことで、ある日ふと、「あれ、今日は怒らなかったな」「自分でできてる!」という瞬間が来ます。
子どもが変わるより先に、親子の間に「伝わった」という小さな体験が積み重なっていく感覚を、ぜひ大切にしてほしいのです。
うまくいかなくて当然。あなたが悩んでいること自体、それだけわが子のことを真剣に考えている証拠です。
今日、絵カードを1枚作ってみるだけでいい。
その一歩が、明日の「怒らなかった自分」につながっていきますよ。
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みゆき(6歳長女&2歳次女のママ)
フリーランス/埼玉県在住
発達障害と気難しい性格を持つ長女の育児に悩んでいたところsunnysmile協会に出会う。
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