下の子が生まれてから、上の子が急に赤ちゃんみたいになっちゃって…。抱っこ抱っこで、もう腕がもげそう…
わかる! うちも年子だから、その大変さよくわかる!
ほんと大変ですよね~。正直、上の子にイライラしちゃう自分が嫌で…
それ、ママが頑張ってる証拠だよ。赤ちゃん返りには、ちゃんと理由があるんです。
年子の赤ちゃん返りは、ほかのきょうだいよりも大変に感じやすいものです。なぜなら、上の子自身もまだ1〜2歳。言葉で気持ちを伝えるのが難しく、「ママをとられた!」という不安を体ごとぶつけてくるからです。
この記事では、保育士として多くの子どもを見てきた経験と、年子ママとしての実体験から、赤ちゃん返りの理由といつまで続くのか、そして今日からできる4つの対応をお伝えします。読み終わるころには、少しだけ上の子を見る目がやさしくなっているはずです。
関連記事はこちら
【経験談】年子の七五三は一緒にやる?保育士ママの本音と4つのコツ
年子と双子はどっちが大変?両方育てた祖母が語る4つの違いと本音

目次
年子の赤ちゃん返りは「わがまま」じゃない。上の子の心で起きていること

「もうお姉ちゃん(お兄ちゃん)なのに、なんで赤ちゃんみたいなことするの?」と思ってしまうこと、ありますよね。でも、赤ちゃん返りはわがままでも、しつけの失敗でもありません。
新しい家族が増えて環境が大きく変わったとき、子どもが自分なりに心のバランスをとろうとしているサインです。特に年子の場合は、上の子がまだ小さいぶん、そのサインがまっすぐ強く出やすいのが特徴です。
まずは上の子の心の中で何が起きているのか、保育士の視点からひも解いてみましょう。理由がわかるだけで、同じ行動でも受け止め方がぐっと変わります。
年子の上の子は、まだ自分も「赤ちゃん」
年子の場合、下の子が生まれたときの上の子は1歳半〜2歳前後です。保育園でいうと、0・1歳クラス。まだ自分の気持ちを言葉にするのが難しく、大人にたっぷり甘えたい時期そのものです。
つまり年子の赤ちゃん返りは、「赤ちゃんに戻っている」というより、「まだ赤ちゃんでいたいのに、急にお姉ちゃん・お兄ちゃんにされた」状態。そう考えると、抱っこをせがんだり、下の子の哺乳瓶を欲しがったりするのも自然なことだと思えませんか?
保育園でも、下の子が生まれたばかりの園児は、登園時に泣いたり、保育士のひざから離れなかったりすることがよくあります。そんなとき私たち保育士は、「今は甘えたい時期なんだな」と受け止めて、いつもより少し多めに抱っこしたり声をかけたりします。
家庭でも同じように、「この子もまだ小さいんだよね」と思うだけで、ママの気持ちも少しラクになります。

赤ちゃん返りは「安全基地」の確認作業
子どもにとってママは「安全基地」。不安なときに戻ってこられて、心のエネルギーを充電できる場所です。安全基地がしっかりある子ほど、安心して外の世界に飛び出していけます。
下の子が生まれると、ママの腕も時間も赤ちゃんにとられてしまいます。上の子からすると「私の安全基地、まだちゃんとあるかな?」と不安になるのです。赤ちゃん返りは、その不安を確かめるための確認作業。「こんな私でも受け止めてくれる?」と、体を張って聞いているようなものです。
だからこそ、ここで「ちゃんとここにあるよ」と伝われば、上の子は少しずつ落ち着いていきます。私自身も「子どもの安全基地でありたい」という思いから働き方を変えたひとり。赤ちゃん返りは、親子の信頼関係を強くするチャンスでもあると感じています。
年子の赤ちゃん返りはいつまで?よくある行動と目安

赤ちゃん返りの真っ只中にいると、いちばん気になるのが「これ、いつまで続くの?」ということですよね。終わりが見えないと、どんなに優しいママでもしんどくなってしまいます。
赤ちゃん返りの出方や期間は子どもによってさまざまですが、よくある行動やおおよその目安を知っておくと、「うちだけじゃないんだ」と安心できます。ここでは保育現場でよく見かけるサインと、長引くときに見直したいポイントをまとめました。

上の子によくある赤ちゃん返りの行動
保育現場やママ友の話でよく聞くのは、こんな行動です。
- 「抱っこ!」が急に増える、歩かなくなる
- できていたこと(ご飯・着替え・トイレ)を「やって」と言う
- 赤ちゃん言葉になる、哺乳瓶やおっぱいを欲しがる
- 夜泣きや寝つきの悪さがぶり返す
- 下の子をたたいたり、わざと起こしたりする
どれも「ママ、こっちも見て!」のサインです。特に下の子への意地悪はヒヤッとしますが、赤ちゃんが憎いのではなく、「ママを取り戻したい」気持ちの表れ。危ないときはしっかり止めつつ、「ママに来てほしかったんだよね」と気持ちを代弁してあげると、少しずつ落ち着いていきます。
わが家の上の子も、下の子が生まれてからは基本ずっと抱っこ。下の子にしっかりジェラシーを持っていて、私が下の子のお世話をしていると「ママ〜ママ〜」と呼び続けて、ママを独占したがっていました。
あの「ママ〜」は、まさに「こっちも見て!」のサインだったんだなと思います。
赤ちゃん返りはいつまで?目安と長引くときのサイン
赤ちゃん返りの期間は、数週間で落ち着く子もいれば、数か月続く子もいて、はっきりした決まりはありません。年子の場合は、下の子がはいはいやよちよち歩きを始めて「注目の的」になるたびに、波のようにぶり返すこともあります。
ただ、子どもが「また一人でやってみよう」と思えるのは、心が満たされたとき。反対に、甘えを断られ続けると、「もっともっと」と求めて長引くことがあります。「いつ終わるか」より、「今、心のタンクがどれくらい満たされているか」に目を向けると、関わり方が見えてきます。
もし、食事や睡眠が大きく乱れている、元気がない状態が長く続く、ママ自身が限界を感じている、というときは、一人で抱えず、保育園の先生や地域の子育て支援センター、小児科に相談してみてください。相談することは、ちっとも大げさじゃありませんよ。

上の子の赤ちゃん返りに。保育士ママがする4つの対応

ここからは、保育士として子どもたちと関わってきた経験と、年子ママとしての実感から、今日からできる対応を4つ紹介します。どれも特別な道具や時間はいりません。
ポイントは「上の子の心のタンクを満たすこと」。全部を完璧にやろうとしなくて大丈夫です。年子育児はママの体力勝負でもあるので、「これならできそう」と思えるものを1つ選んで、気楽に試してみてください。
小さな変化が、少しずつ上の子の安心につながっていきます。
対応1:1日5分の「あなただけの時間」をつくる
下の子が寝ているときや、パパに抱っこをお願いできるときに、上の子と二人きりで過ごす時間をつくりましょう。5分でも十分です。
私がこの時間にしていたのは、スキンシップ遊びが中心。絵本を読むこともありましたが、抱っこしながら楽しい曲調の歌を歌って一緒に揺れて踊ったり、声をかけながら赤ちゃんマッサージで上の子の全身を包むように触れたりしていました。
まだ言葉が未熟な年子の上の子には、言葉よりも肌と肌のふれあいのほうがまっすぐ届きます。大事なのは長さより「今はあなただけのママだよ」と伝わること。保育園でも、不安定な子には一対一でじっくり関わる時間を意識してつくります。
心のタンクは、量より「濃さ」で満たされるのだと思います。

対応2:「あなたが優先だよ」を上の子に伝わるようにする
年子育児で私が意識していたのは「上の子優先」。しかも、それを上の子本人にちゃんと伝わるようにすることでした。「あなたのことを何よりも優先してるよ」と、上の子にしっかりアピールしていました(笑)。
下の子はまだ「ママを取られた」という感覚を持っていません。いっぽうで上の子は、ママが誰を見ているかをよく見ています。だからこそ、安全な範囲で上の子を先にするだけで、「私のママはちゃんとここにいる」と安心できるのです。
わが家のルールはシンプルで、兄妹2人とも起きていて一緒にいるときは、基本的に上の子優先。そのかわり、上の子が寝ているときや保育園に行っていていないときは、下の子にベロンベロンに愛情を注いでいました(笑)。
上の子がいる場面では上の子を、いない場面では下の子を。そうやってメリハリをつけることで、どちらにもたっぷり愛情を届けられます。
「先に○○くんのお着替えしようね」のように、優先していることを上の子に聞こえるように伝えると、よりまっすぐ届きます。もちろん、下の子の安全が第一。できる場面だけで大丈夫ですよ。
対応3:「お兄ちゃん扱い」はしない。1人の人として一緒に考える
年子の上の子は、生まれてたった1年ちょっとで「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」になります。本人にとっては、自分で選んだわけではない立場です。「お兄ちゃんなんだから我慢して」と言われると、「赤ちゃんだけずるい」という気持ちが大きくなり、かえって赤ちゃん返りが強くなることもあります。
だから私は、上の子を「お兄ちゃん扱い」することは絶対にしませんでした。そのかわり、上の子を1人の人として見て、そのときどきの状況に合わせて「どうしたらいいかな〜」と一緒に考えながら乗り切っていました。
「お兄ちゃん」という役割ではなく、「あなた」として向き合ってもらえる安心感。それが、ゆくゆく自分から下の子にやさしくできる力の土台になります。

対応4:下の子のお世話に「助手」として誘う
上の子の気持ちが少し落ち着いてきたら、下の子のお世話に「助手さん」として誘ってみましょう。「オムツとってくれる?」「赤ちゃん、何て泣いてると思う?」など、簡単なことでOKです。
手伝ってくれたら「助かったよ、ありがとう」とちゃんと伝えるのがポイント。「ママの役に立てた」という実感は、子どもの自信になります。ただし、これはあくまで「誘う」だけ。断られても無理にさせないでくださいね。
わが家では、上の子にオムツを持ってきてもらったときに「ありがとう!」と伝えたら、ニィっと笑って喜んでくれました。それからは、気がついたときに自分から持ってきてくれることも。
そのうち、下の子と一緒に遊んだり、ご飯を食べさせてくれたりと、お世話してくれる姿も見かけるようになりました。まぁ、いまだに下の子のお世話をしているとジェラシーは飛んできて、「ママ〜」はあるんですけどね(笑)。
年子のきょうだいは、お世話をしてくれる仲間でありながら、ママを取り合うライバルでもある。そんな関係なのかもしれません。
きょうだいの関係が気になる方は、「年子 仲悪い」の記事もあわせて読んでみてください。
内部リンク: 年子が仲悪いのは実は悪いことじゃない?生きる力を強化する4つの視点

上の子がかわいく思えない日があっても大丈夫

ここまで読んで「わかってはいるけど、余裕がないんだよ…」と感じた方もいるかもしれません。それで当然です。年子育児は、産後の体が回復しきらないうちに、二人分のお世話が始まります。
私自身、二人目の妊娠は「ジェットコースターを降り遅れて、また発車してしまったような気持ち」でした。上の子に優しくできない日があるのは、ママの愛情が足りないからではありません。最後に、ママ自身の心を守るための考え方をお伝えします。
イライラするのは、ママが頑張っている証拠
上の子の赤ちゃん返りにイライラして、寝顔を見ながら反省…。そんな夜を過ごしているママは、きっとたくさんいます。でも、イライラするのは、睡眠不足や疲れで心のタンクが空っぽになっているサイン。
子どもと同じように、ママにも充電が必要なだけです。「かわいく思えない」と感じる自分を責めるより、「今日も二人分よく頑張った」と自分をほめてあげてください。
子どもを変えようとするより、まずママ自身が休むこと。それが巡り巡って、上の子にもう少しやさしくできるいちばんの近道だと思います。年子育児のしんどさについては、「年子育児 ありえない」の記事でもくわしく書いています。
内部リンク:年子はありえない?傷ついたママへ伝えたい保育士ママの本音

ママ以外の「安心できる大人」を増やそう
赤ちゃん返りの時期は「ママじゃなきゃイヤ!」が強くなりがちです。だからこそ、パパや祖父母、保育園の先生など、「ママ以外にも安心できる大人がいる」と伝えていくことが大切です。
「ママがいい」と泣いているときはママがその子のところへ。もう一人は家族にお任せする。そんな役割分担を普段からしておくと、ママの負担もずいぶん軽くなります。
ワンオペが多い家庭なら、子育て支援センターの人やスーパーのレジの人に「こんにちは」と声をかけるだけでも大丈夫。ママが周りの大人と楽しそうに関わる姿を見せることで、子どもに「ママ以外にも安心できる人がいる」と伝わっていきます。
赤ちゃん返りは、上の子が「ママ大好き」を全力で伝えている期間限定のメッセージです。
今振り返ると、あの時期は上の子と下の子がお互いの存在を認識し合うために、トライ&エラーを繰り返していた期間だったのだと思います。時には2人同時に「ママ〜!」と大泣き。
大人は私しかいなくて、どうにもできないカオスな瞬間もありました。それでも「時間がなんとかしてくれる」と思いながら、抱っこして時が過ぎるのを待つこともできました。
こんなにも全力で求められることなんて、人生でそうそうありませんよね。今思えば、尊い期間だったなと思います(笑)。どうにもできない日があっても大丈夫。一人で抱え込まず、周りに頼りながら、この時期を乗り切っていきましょうね。
関連記事はこちら
【経験談】年子の七五三は一緒にやる?保育士ママの本音と4つのコツ
年子と双子はどっちが大変?両方育てた祖母が語る4つの違いと本音

この記事を書いた人

ゆい(4歳男の子、3歳女の子)
3、4歳の年子ママ。保育士として1,500人以上の子どもたちと携わる。2人目の妊娠をきっかけにを個人事業開始。現在、地元の事業家や専門家と共に商品開発を進めている。情報発信やスキル提供で出会った人達へ笑顔を提供しています。仕事のモットーは「気持ちにまっすぐ」「頑張らないように頑張る」Instagramでは帰宅後10分腸活レシピを発信中♪
#年子#赤ちゃん返り#いつまで